2003年3月末日・Ⅱ 心を捨てないこと
といって、大林監督を恨むのは筋が違う。あのとき、監督は本当に真剣に話してくれた。ほぼ初対面でもある僕に、巨匠が映画作りとは何か?を熱く語ってくれた。
「何でもいいから映画を撮りたい!」という新人監督は多い。「金さえ出れば何でもします」という人もいる。
ロケ地だけではない。物語も、出演者も、キャラクターも、スポンサーが言えばホイホイ変えてしまう監督がいる。でも、そんな人の作品には感動できない。
大林監督が言おうとしているのは、そういうことではないか? 「転校生」のときの大変なお話も聞かせてもらった。
巨匠も戦っている。自分の思いを曲げてはいけないというのは、そういう意味なのだろう。でも、僕はどうすればいいのか・・・。(つづく)